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医療政策:COVID-19による公衆衛生への脅威を終息させるためのデルファイ調査での多国間コンセンサス

Nature 611, 7935 doi: 10.1038/s41586-022-05398-2

科学的および医学的な進歩は顕著であるにもかかわらず、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)への対応は、より広範な政治的、社会経済的、行動的要因によって阻まれ続けている。本研究では、公衆衛生に対して持続するこの世界的な脅威を終息させるための具体的な行動を提言するため、今回のデルファイ調査の一環として、112の国と地域から、COVID-19の対応に関与する学術、衛生、非政府組織、政府、その他の専門家386人からなる多様で学際的なパネルを招集した。このパネルは、政府、医療システム、産業界、他の主要なステークホルダーに対して、6つの領域(コミュニケーション、医療システム、ワクチン接種、予防、治療やケア、格差)にわたる41のコンセンサス声明と57の提言を作成した。3年近くにわたる世界的および各国での断片的な対応を受け、最高ランクの提言のうち3つが、ワクチン接種を補完するさまざまな公衆衛生および財政支援策を採用するワクチンプラス手法を用いて実績のある予防措置を維持しつつ、社会全体・政府全体的な手法の採用を求めていることは有益である。合わせて99%以上の賛成とやや賛成が得られた他の提言では、政府や他のステークホルダーに、コミュニケーションの改善、国民との信頼の再構築、パンデミック対応の管理へのコミュニティーの参加が助言されている。この調査結果はさらに、世界の184の組織に支持されており、全会一致の事項だけでなく、5%を超える意見の相違がある6つの提言も含んでいる。これらは、パンデミック対応の不備に対処し、この公衆衛生への脅威を終息させるのに役立つ、衛生的および社会政策的な行動を示している。

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