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感染症:COVID-19のパンデミックに対する大規模な感染防止政策の効果

Nature 584, 7820 doi: 10.1038/s41586-020-2404-8

世界各国の政府は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって引き起こされる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに対し、感染増加率の抑制を目的とする前例のない政策で応じている。学校閉鎖や外出制限などの多数の政策によって社会は目に見える大きなコストを強いられているが、そうした政策の効果は直接観察できず、現時点ではプロセスに基づくシミュレーションでしか理解されていない。今回我々は、中国、韓国、イタリア、イラン、フランス、米国の各地で進行中のパンデミック(世界的大流行)に対し実施された、局地的、地域的、国家的な非医薬品介入1700件のデータを収集した。次に我々は、経済成長に対する政策の効果を測定するのに広く用いられている誘導型の計量経済学的方法を適用し、これらの感染防止政策が感染増加率に与えた効果を実験的に評価した。その結果、政策措置を取らなかった場合、COVID-19の初期の感染は1日当たり約38%という指数関数的な増加率を示すことが推定された。感染防止政策は、感染の増加を有意かつ大幅に抑制したことが明らかになった。一部の政策は集団によって効果に差が見られるものの、伝播率を低下させるために実施された政策パッケージが、保健衛生上、有益で測定可能な大きな成果を上げたことを示す一貫した証拠が得られた。これらの6か国では、介入によって約6100万件の確定例が予防または先延ばしされたと推定された。これは、計約4億9500万件の感染の防止に相当する。今回の知見は、こうした政策の実施、強化、解除の是非や時期に関する意思決定に役立つ情報になると考えられ、COVID-19が報告されている他の180以上の国々の政策立案の支援となる可能性がある。

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