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進化学:ライオンとシマウマ、チーターとインパラにおける捕食者–被食者間の軍拡競走の生体力学

Nature 554, 7691 |  Published: |  doi: 10.1038/nature25479


最も速く最も敏捷な陸生動物は、走る被食者を捕食者が追い掛けて捕らえるというサバンナ環境で見られる。狩りの結果および成功率は生存に極めて重要であるため、捕食者も被食者も、速さや敏捷性を向上させるべく進化する必要がある。今回我々は、ライオンとシマウマ、チーターとインパラという2組の追跡型捕食者と被食者のペアについて、これらの動物の自然生息地であるボツワナのサバンナで運動特性を比較した。その結果、チーターとインパラの方が、ライオンとシマウマよりも速度、加速度、方向転換の全てにおいて運動能力が優れていたが、それぞれの捕食者–被食者ペアでは、捕食者の方が被食者よりも筋繊維の力が20%大きく、加速能力は37%、減速能力は72%高いことが分かった。これらのデータを用いて狩りの動力学のシミュレーションを行ったところ、速度がより低い狩りでは、被食者が敏捷性を最大限に生かすことができ、被食者の生存が有利となること、そして、捕食者が自らの生存を可能とするような成功率を維持するためには、被食者を上回る運動能力を有する必要があることが明らかになった。

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