Volume 467 Number 7312

Editorials

研究の不正行為に関する調査の公平性が、インターネットでの匿名の非難によって、ゆがめられるおそれがある。

doi: 10.1038/467133b

米国の右派にアンチ科学の風潮が広がっているが、経済情勢が困難な時期に、あってはならないことだ。

Science scorned p.133

doi: 10.1038/467133a

News

米国の司法の幹細胞研究を巡る判断が、国際間研究協力にも悪影響を。

US stem-cell chaos felt abroad p.138

doi: 10.1038/467138a

米国議会で、幹細胞研究に関する超党派による法案の膠着状態を打開しようという動きが。

p.139

doi: 10.1038/467139a

NASAが、緊急度の高い課題として、近地球型小惑星が衝突する危険性の調査に力を。

NASA panel weighs asteroid danger p.140

doi: 10.1038/467140a

メラノーマの臨床試験で有効な結果が得られ、がんに特異的な変異遺伝子を標的にした治療に期待が。

p.141

doi: 10.1038/467141a

コンテストにより、ニューロンの複雑な分岐の解析アルゴリズム開発が促進。

p.143

doi: 10.1038/467143a

二酸化炭素の二大排出国である米国と中国が、クリーンエネルギー研究で協力することに。

p.144

doi: 10.1038/467144a

気候変動と内戦の発生とを結びつける考え方に異論が。

p.145

doi: 10.1038/467145a

News Features

神経科学:子育ての中で

p.146

母親の愛情が及ぼす持続的な影響により子どもがエピジェネティックな修飾を受けるという説があるが、生物学者や生化学者からの反論も多い。

doi: 10.1038/467146a

地質学:恐竜時代への旅

p.150

中国での深さ10 kmに達する掘削調査によって、白亜紀の状況がこれまでになく明らかになると期待されている。

doi: 10.1038/467150a

News & Views

進化生物学:コミュニケーションと種分化

p.159

アフリカのイビンド盆地ではアロワナ目魚類のエレファントノーズ類の間でびっくりするような進化的放散が起こったことは明らかである。これはコミュニケーションのための開かれたニッチから、種の多様化が生じうることを意味している。

doi: 10.1038/467159a

気候変動:氷河後退のタイミングを冷徹に検証

p.160

ニュージーランドの高山地帯で氷河が以前にどこまで広がっていたかが詳細に再構築されたことは、最終氷期の終わりに起こった全球規模の気候調節を説明するのに役立ちそうだ。

doi: 10.1038/467160a

遺伝子ターゲッティング:ラットへの遺伝子導入

p.161

幹細胞技術の進展によって、マウス以外の哺乳動物での遺伝子ターゲッティングを妨げていた技術的障壁が消え去った。これにより、さまざまな研究、特に実験用ラットを使う研究の機会が開かれた。

doi: 10.1038/467161a

システム生物学:フィードバック制御のコスト

p.163

生化学反応過程におけるノイズは、細胞機能の正確さを危うくすることがある。情報理論などによる解析が行われ、ノイズがフィードバックによってどこまで抑制されうるかには、厳密な限界があることが示唆された。

doi: 10.1038/467163a

ナノテクノロジー:役立ちそうな小孔

Holes with an edge p.164

原子1個分の厚さの炭素シートであるグラフェンの各層を貫通する小孔を、電子ビームを使って開けることができる。このようなナノサイズの小孔は、1個のDNA分子の塩基配列を極めて迅速に解読するのに役立つかもしれない。

doi: 10.1038/467164a

Articles

細胞:分子的揺らぎの抑制に対する根本的な限界

Fundamental limits on the suppression of molecular fluctuations p.174

doi: 10.1038/nature09333

生化学:USP14の低分子阻害物質によるプロテアソーム活性の増強

Enhancement of proteasome activity by a small-molecule inhibitor of USP14 p.179

doi: 10.1038/nature09299

Letters

物理:グラフェン四重項の高分解能トンネル分光

High-resolution tunnelling spectroscopy of a graphene quartet p.185

doi: 10.1038/nature09330

工学:サブナノメートルトランス電極膜としてのグラフェン

Graphene as a subnanometre trans-electrode membrane p.190

doi: 10.1038/nature09379

気候:ヤンガードライアス亜氷期におけるニュージーランドでの氷河の後退

Glacier retreat in New Zealand during the Younger Dryas stadial p.194

doi: 10.1038/nature09313

地球:2010年マウレ地震のすべりはアンデス沈み込み帯の地震前固着と相関がある

2010 Maule earthquake slip correlates with pre-seismic locking of Andean subduction zone p.198

doi: 10.1038/nature09349

進化:スペインの白亜紀前期層から発掘された、背にこぶのある奇妙なカルカロドントサウルス(獣脚類)

A bizarre, humped Carcharodontosauria (Theropoda) from the Lower Cretaceous of Spain p.203

doi: 10.1038/nature09181

遺伝:全エキソーム配列解読によって同定された、重度脳形成異常におけるWDR62の劣性変異

Whole-exome sequencing identifies recessive WDR62 mutations in severe brain malformations p.207

doi: 10.1038/nature09327

遺伝:胚性幹細胞での相同組み換えによるp53遺伝子ノックアウトラットの作製

Production of p53 gene knockout rats by homologous recombination in embryonic stem cells p.211

doi: 10.1038/nature09368

医学:HIV-1に対する潜在的なセンサーは樹状細胞の抗ウイルス自然免疫を活性化する

A cryptic sensor for HIV-1 activates antiviral innate immunity in dendritic cells p.214

doi: 10.1038/nature09337

細胞:MEC-17はαチューブリンのアセチルトランスフェラーゼである

MEC-17 is an α-tubulin acetyltransferase p.218

doi: 10.1038/nature09324

細胞:HAATIにより生存する細胞では標準的なテロメアの代わりに一般的なヘテロクロマチン区画が使われる

HAATI survivors replace canonical telomeres with blocks of generic heterochromatin p.223

doi: 10.1038/nature09374

細胞:テロメアはチェックポイントのシグナル伝達経路を遮断することで末端として検出されることを回避する

Telomeres avoid end detection by severing the checkpoint signal transduction pathway p.228

doi: 10.1038/nature09353

構造生物学:CaiTでのNa+に依存せず協同的な基質/生成物対向輸送の構造基盤

Structural basis of Na+-independent and cooperative substrate/product antiport in CaiT p.233

doi: 10.1038/nature09310

Review Article

システム生物学:遺伝子回路でノイズが担う機能的役割

Functional roles for noise in genetic circuits p.167

doi: 10.1038/nature09326

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