Volume 464 Number 7291

Editorials

遺伝学研究の進歩が患者の利益に結びつくよう、遺伝子特許のあり方を考え直すべき時期だ。

Testing time for gene patents p.957

doi: 10.1038/464957a

科学の国際競争力を高めるため、日本が競争的助成制度を推進するのは意味があるが、その対象には一考の余地がある。

p.957

doi: 10.1038/464957b

ネイチャーは17誌目のリサーチジャーナルとして、特定の分野に限定せずに優れた論文を掲載するNature Communications(電子版のみ)を創刊。

p.958

doi: 10.1038/464958a

News

動物実験に関するEU指令の改定は、動物の権利保護と科学研究をうまくバランスさせたものに。

p.964

doi: 10.1038/464964a

オバマ米国大統領の核体制の見直し戦略は、基礎研究を推進する可能性も。

p.965

doi: 10.1038/464965a

日本政府の助成プログラム「最先端研究開発支援プログラム」(FIRST)は、国際的な超一流研究者を対象にしているようだ。

Japan rolls out elite science funds p.966

doi: 10.1038/464966a

米国で広く使われている胚性幹細胞株2種に、ようやく公的助成の認可が下りる見込み。

p.967

doi: 10.1038/464967a

Q&A 世界の食糧問題に取り組む、フランス国立農業研究所のGuillou所長に訊く。

p.969

doi: 10.1038/464969a

米国防総省の研究が、生物学や社会科学など、「ソフト」な方向に。

p.970

doi: 10.1038/464970a

米国オバマ政権の生命倫理諮問委員会のメンバーが発表され、多彩な顔ぶれに期待が。

p.971

doi: 10.1038/464971a

News Features

巨大科学:がんゲノムの課題

p.972

がんのゲノム配列の解読・解析を行う国際プロジェクトが開始し、多くのデータが集まり始めているが、データの取り扱いに問題が生じている。

doi: 10.1038/464972a

News & Views

複雑ネットワーク:相互依存のもろさ

p.984

相互接続されたネットワークの故障の広がりの研究から、緊密につながり合うインフラストラクチャーの脆弱さがはっきりし、立ち直りの速い系を設計する際には相互依存ネットワークの性質を考慮する必要があることが明らかになった。

doi: 10.1038/464984a

ゲノミクス:酵母に学ぶ複雑性

p.985

複雑な形質の解明は生物学における難問の1つであり、こうした形質は多数の遺伝的変異の影響を受ける。酵母を使った研究によって、このような遺伝的変異を、ヒトを含めたほかの生物でも詳細に解析できる見込みが出てきた。

doi: 10.1038/464985a

1分子解析:作業中のリボソーム

p.987

リボソームによるタンパク質の作製には、さまざまな核酸やタンパク質リガンドの複雑な相互作用がかかわっている。1分子解析により、全長タンパク質の合成をリアルタイムで追跡することに初めて成功した。

doi: 10.1038/464987a

情報科学:保証されたランダム性

p.988

乱数を発生させる機器を受け取っても、信用できるかどうかわからない場合、動かしてみる前にその性能を確かめることは可能だろうか。量子物理学の変てこな性質のおかげで、場合によってはそれが可能である。

doi: 10.1038/464988a

がん:転移のゲノミクス

p.989

がん細胞は体の別の場所に侵入する際、ゲノムの異常を集積させてそれを可能にしている。原発腫瘍と転移巣のゲノムの違いの解析により、こうした過程の解明が進むだろう。

doi: 10.1038/464989a

行動生態学:オタマジャクシを育てる方法

p.990

子育ての労力を減らすには水を増やしてやるだけでいい。これが、さまざまな種類のカエルにおける子に対する親の献身的な世話の範囲について、巧妙な研究から得られた結論である。

doi: 10.1038/464990b

視覚:魚が見る世界

p.990

テッポウウオの眼は、水中と空中という全く異なる視覚世界に対処しなくてはならない。テッポウウオの網膜の研究から、どうやってこの問題を解決しているのかがわかってきた。

doi: 10.1038/464990a

追悼:Leena Peltonen-Palotie氏(1952〜2010年)

p.992

先見をもって遺伝医学の研究を行ったPeltonen-Palotie氏が亡くなられた。ご冥福を祈りたい。

doi: 10.1038/464992a

Articles

遺伝子:基底細胞様乳がんの転移性腫瘍および異種移植腫瘍におけるゲノムの変化

Genome remodelling in a basal-like breast cancer metastasis and xenograft p.999

doi: 10.1038/nature08989

生理:ヘビによる赤外検知の分子基盤

Molecular basis of infrared detection by snakes p.1006

doi: 10.1038/nature08943

細胞:翻訳中の1個のリボソーム上でのtRNA移動の、コドンレベル分解能でのリアルタイム観察

Real-time tRNA transit on single translating ribosomes at codon resolution p.1012

doi: 10.1038/nature08925

Letters

宇宙:恒星から回折ビーム幅の2倍までの距離に位置する太陽系外惑星の画像

An image of an exoplanet separated by two diffraction beamwidths from a star p.1018

doi: 10.1038/nature09007

物理:ベルの定理によって保証された乱数

Random numbers certified by Bell's theorem p.1021

doi: 10.1038/nature09008

工学:相互依存ネットワークにおける破局的な故障のカスケード的広がり

Catastrophic cascade of failures in interdependent networks p.1025

doi: 10.1038/nature08932

地球:穏やかで生物活動が活発な始生代の海洋を示すリン酸塩酸素同位体の証拠

Phosphate oxygen isotopic evidence for a temperate and biologically active Archaean ocean p.1029

doi: 10.1038/nature08952

遺伝:ペリゴール産黒トリュフのゲノムから明らかになった共生の進化的起源とその機構

Périgord black truffle genome uncovers evolutionary origins and mechanisms of symbiosis p.1033

doi: 10.1038/nature08867

遺伝:酵母分離株の巨大なプールを用いた遺伝的に複雑な形質の分析

Dissection of genetically complex traits with extremely large pools of yeast segregants p.1039

doi: 10.1038/nature08923

発生:APCDD1は新規Wnt阻害因子であり、遺伝的先天性貧毛症で変異がみられる

APCDD1 is a novel Wnt inhibitor mutated in hereditary hypotrichosis simplex p.1043

doi: 10.1038/nature08875

細胞:繊毛形成と繊毛長の調節因子の機能的ゲノムスクリーニング

Functional genomic screen for modulators of ciliogenesis and cilium length p.1048

doi: 10.1038/nature08895

医学:個々のNotch受容体を標的とする治療抗体

Therapeutic antibody targeting of individual Notch receptors p.1052

doi: 10.1038/nature08878

がん:結腸直腸がんのAPC欠損細胞をアポトーシスの標的とした予防的化学療法

Chemoprevention of colorectal cancer by targeting APC-deficient cells for apoptosis p.1058

doi: 10.1038/nature08871

医学:ミグラスタチン類似体はファシンを標的として腫瘍転移を防ぐ

Migrastatin analogues target fascin to block tumour metastasis p.1062

doi: 10.1038/nature08978

医学:標的型ナノ粒子を用いてヒトに全身投与したsiRNAによるRNAiの証拠

Evidence of RNAi in humans from systemically administered siRNA via targeted nanoparticles p.1067

doi: 10.1038/nature08956

細胞:長い非コードRNAであるHOTAIRはクロマチン状態を再プログラム化してがん転移を促進する

Long non-coding RNA HOTAIR reprograms chromatin state to promote cancer metastasis p.1071

doi: 10.1038/nature08975

進化:フルクトース1,6-二リン酸アルドラーゼ/ホスファターゼは祖先的な糖新生酵素と考えられる

Fructose 1,6-bisphosphate aldolase/phosphatase may be an ancestral gluconeogenic enzyme p.1077

doi: 10.1038/nature08884

細胞:CpG島は、CpG結合タンパク質Cfp1を介してクロマチン構造に影響を及ぼす

CpG islands influence chromatin structure via the CpG-binding protein Cfp1 p.1082

doi: 10.1038/nature08924

Review Article

遺伝:がんゲノムプロジェクトの国際的ネットワーク

International network of cancer genome projects p.993

doi: 10.1038/nature08987

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