Volume 456 Number 7220

Editorials

DARWIN 200:ダーウィンの生誕200周年、「種の起源」の発表から150年にあたる2009年を前に、特集をお送りする。

Beyond the origin p.281

doi: 10.1038/456281a

霊長類での侵襲的実験は基礎研究にこそ必要であり、EUの新しい動物実験指針がこれを認めるよう、科学者は声を上げるべきだ。

p.281

doi: 10.1038/456281b

政治の変化のおかげで、NIHが幹細胞研究に新たな役割を担える可能性が生まれた。

p.282

doi: 10.1038/456282a

News

世界的な景気悪化で、気候変動対策のための原発推進が困難に。

p.286

doi: 10.1038/456286a

ネット検索語の集計によって、インフルエンザ流行の探知が可能に。

p.287

doi: 10.1038/456287a

ゲノム解析技術の進展に伴い、早急に胚の遺伝子診断の指針を作る必要が。

p.288

doi: 10.1038/456288a

CO2増加の森林への影響を開放系で調べる米エネルギー省の計画が中止へ。

p.289

doi: 10.1038/456289a

南極の高高度気球が、暗黒物質の手がかりをとらえた可能性が。

p.290

doi: 10.1038/456290b

国際協力による中東初のシンクロトロンの完成には、さらなる資金が必要。

p.291

doi: 10.1038/456291a

NASAが、DSCOVR衛星計画から予算削減のため当初目的の地球観測を外す懸念も。

p.292

doi: 10.1038/456292a

News Features

DARWIN 200:多数が必要

p.296

自然選択が個体だけでなく集団にも働くか、論争は決着しそうもない。

doi: 10.1038/456296a

DARWIN 200:一皮むけば

Beneath the surface p.300

同じような形態に、根本的に違った道筋が隠れている可能性がある。

doi: 10.1038/456300a

DARWIN 200:この目に目を

p.304

doi: 10.1038/456304a

DARWIN 200:マンモスを作ろう

Cover caption p.310

絶滅種を生き返らせることが可能になるかもしれない。

doi: 10.1038/456310a

News & Views

宇宙物理学:闇からのメッセージ

p.329

宇宙物理学と素粒子物理学では共に、宇宙全体に広がっていると考えられるが実体不明の暗黒物質の探索が行われている。今回気球を非常な高度まで打ち上げるという実験が行われ、暗黒物質とはいったい何なのか、その実体に関する最新の手がかりが得られた。

doi: 10.1038/456329a

DNA塩基配列解読:マンモスのゲノミクス

Mammoth genomics p.330

マンモス・ゲノムの塩基配列の大半が再構築され、こうした手法が絶滅した種の生物学的特徴や進化の解明を進めるのにいかに役立つかが示された。

doi: 10.1038/456330a

古気候:温室ガスの指紋

p.331

短期間の温暖化と寒冷化は、最終氷河期の間ずっと繰り返し起こっていた。こうした変化の原因となる温室効果ガスの変動が海洋循環の変化によって生み出されたことが、革新的なモデル研究によって示された。

doi: 10.1038/456331a

細胞生物学:カオスから生まれる核の秩序

p.333

細胞がその内部構造を作り上げる仕組みは、細胞生物学における重要な謎の1つである。細胞核が他の細胞内構造と同じようなら、確率論的な組み立てと自己集合が重要であるらしい。

doi: 10.1038/456333a

細胞生物学:プランクトンがくるくる回るわけ

p.334

海生動物プランクトンの眼点に光が当たると、それがらせん状の動きと進路決定に変換される仕組みについて、巧妙なコンピューターシミュレーションなどを使って手がかりが得られた。

doi: 10.1038/456334b

ナノテクノロジー:ポリマーに取り組む

p.334

「四角四面」というのは今どき格好悪いように思えるかもしれないが、電子回路の場合には他の形というわけにはいかない。高分子ナノ粒子の四角なアレイを作る方法は、次世代のシリコンチップ縮小版の先駆けとなりそうだ。

doi: 10.1038/456334a

生理学:アンモニアを宅配

p.336

マウスでの生理学的研究により、赤血球のRh因子の遠縁にあたり、腎臓で発現されるタンパク質の意外な役割が明らかになった。これと同じような研究は、哺乳類ゲノムのアノテーションを進める助けとなりそうだ。

doi: 10.1038/456336a

構造生物学:1つのループで負けた酵素

p.337

タンパク質を分解する酵素は、勝手に標的を攻撃しないように厳重な調節が行われている。2種類の結晶構造から、こうした酵素に対して阻害的に働くタンパク質のドメインが、自身を分解されることなく、酵素に「さるぐつわをかませる」仕組みが明らかになった。

doi: 10.1038/456337a

Articles

生理:Rh因子Rhcgが腎臓のアンモニウム排出と雄の生殖能力に果たす役割

A role for Rhesus factor Rhcg in renal ammonium excretion and male fertility p.339

doi: 10.1038/nature07518

細胞:ヒト成人の精巣から多能性幹細胞を作製

Generation of pluripotent stem cells from adult human testis p.344

doi: 10.1038/nature07404

生化学:DNA上にある完全なPPAR-γ-RXR-α核内受容体複合体の構造

Structure of the intact PPAR-γ-RXR-α nuclear receptor complex on DNA p.350

doi: 10.1038/nature07413

細胞:ヒトと酵母のホリデイジャンクションリゾルベースの同定

Identification of Holliday junction resolvases from humans and yeast p.357

doi: 10.1038/nature07470

Letters

宇宙:300〜800 GeVの高エネルギー宇宙線電子の過剰

An excess of cosmic ray electrons at energies of 300–800 GeV p.362

doi: 10.1038/nature07477

物理:等方的量子散乱と非従来型の超伝導

Isotropic quantum scattering and unconventional superconductivity p.366

doi: 10.1038/nature07431

材料:リン化インジウム・ナノワイヤーにおける双晶超格子

Twinning superlattices in indium phosphide nanowires p.369

doi: 10.1038/nature07570

気候:海洋循環の変化によって制御された氷期の温室効果ガスの変動

Glacial greenhouse-gas fluctuations controlled by ocean circulation changes p.373

doi: 10.1038/nature07531

地球:粒子画像流速測定法で調べた長周期地震と噴火の際のドーム膨張

Long-period earthquakes and co-eruptive dome inflation seen with particle image velocimetry p.377

doi: 10.1038/nature07429

発生:無体腔動物の発生は左右相称動物の口と肛門が独立に進化したことを示す

Acoel development indicates the independent evolution of the bilaterian mouth and anus p.382

doi: 10.1038/nature07309

遺伝:絶滅したマンモスの核ゲノム塩基配列の解読

Sequencing the nuclear genome of the extinct woolly mammoth p.387

doi: 10.1038/nature07446

脳:視床での注視による皮質への関門の監視

Guarding the gateway to cortex with attention in visual thalamus p.391

doi: 10.1038/nature07382

生理:海生動物プランクトンの走光性の仕組み

Mechanism of phototaxis in marine zooplankton p.395

doi: 10.1038/nature07590

発生:ジンクフィンガータンパク質Zeldaは、ショウジョウバエの初期の接合子ゲノムの中心的な活性化物質である

The zinc-finger protein Zelda is a key activator of the early zygotic genome in Drosophila p.400

doi: 10.1038/nature07388

生化学:ヘテロ二量体カルパインの触媒クレフトをふさぐような、カルパスタチンによる多方向からの協調した攻撃

Concerted multi-pronged attack by calpastatin to occlude the catalytic cleft of heterodimeric calpains p.404

doi: 10.1038/nature07353

生化学:カルパインのカルシウム結合構造とカルパスタチンによる阻害機構

Calcium-bound structure of calpain and its mechanism of inhibition by calpastatin p.409

doi: 10.1038/nature07451

生理:開口したNa+,K+ATPアーゼポンプを通るイオン透過経路

The ion pathway through the opened Na+,K+-ATPase pump p.413

doi: 10.1038/nature07350

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