注目の論文
シリコンナノシリンダーを用いた反射防止コーティング
Nature Communications
2012年2月22日
Antireflection coatings from nano-scale silicon cylinders
ナノシリンダーを用いた反射防止コーティングの概念が実証された。このシリコンベースの構造体は、数多くの材料からの反射を低減できる可能性があり、太陽電池など数々の光学デバイスへの応用に有望といえる。その詳細を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。 光学デバイスやオプトエレクトロニクスデバイスで入射光を最大限利用するうえで、反射の低減は非常に重要だ。そのための方法は数多く存在しているが、低減効果の得られる波長領域が狭いことが多い。今回、A Polmanたちは、シリコンウエハー上にシリコンナノシリンダーを並べてできた反射防止層を実証した。この微小なシリンダーは、効率的な散乱体として作用し、配置された表面上に強く結合している。これにより、ウエハーへの方向での光の選択的散乱が起こる。その結果、可視領域全体から近赤外領域での平均反射率が1.3%となり、それより長い波長領域では、この反射防止層の透過率は100%に近かった。 このように高い透過率と低い反射率を示したナノシリンダーによるコーティングは、すべての種類のオプトエレクトロニクスデバイスと光の結合を改善する効率的な方法になるかもしれない。
doi: 10.1038/ncomms1691
注目の論文
-
4月19日
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
4月18日
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
4月17日
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine