注目の論文
室温での単一分子からの発光
Nature Communications
2012年1月18日
Generating light from single molecules at room temperature
室温で有機LEDの単一分子からの単一光子の放出が実証された。この結果は、量子計算や量子光学のための実用的な単一光子デバイスの開発へ道を開くものといえる。詳細を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。 量子情報技術では、単一光子エミッターと単一光子検出器が用いられており、単一光子を各種デバイスで機能させるには、光子の挙動を電気的に制御する必要がある。すでにいくつかの制御法が存在しているが、いずれも極低温でなければ作動しない。一方、有機化合物は、結合エネルギーが大きいため、この化合物の温度が上昇しても単一光子の挙動を維持できる。今回、M Nothaftたちは、ポリマー中のイリジウム化合物の分子を使って、室温での単一分子からの発光を実証した。発光は、このデバイスに電場を印加した後とレーザー光でデバイスを励起した後で観測された。 このように高い温度で作動するようになったことで、これらの有機LEDを現実世界での量子技術の統合に利用できる可能性が浮上している。
doi: 10.1038/ncomms1637
注目の論文
-
4月19日
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
4月18日
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
4月17日
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine