少しでも多くの人が安眠できるように
2008年4月24日
Gene Russo
Naturejobs editor
Nature 452, 907 (16 April 2008) | 10.1038/nj7189-907a
それは深夜のパニック発作で始まる。一日中ピペットで実験をして過ごすような、あるいは土壌サンプルを採取し、溶液をかき混ぜ、原子の粒子衝突に関する大量のデータを調べるような人生なんて自分には向いていないのかもしれない、とふと悟る時が来るかもしれない。きっと遅々として進まない研究に嫌気がさしているのでは?もっと「大きな構想」に憧れているのでは?そんな睡眠と覚醒を往来しているうちに、もっと「自由な」科学職がきちんと用意されていることに気づくのかもしれない。
Shobita Parthasarathy氏は、4月5日にワシントンDCで開かれた科学技術職に関する大学院生主催のカンファレンスに参加し、「大きな構想」を求めていかに精力的に動いたかを語ってくれた。彼女は研究職を考えていたそうだが、ニューヨーク州イサカにあるコーネル大学で科学技術を研究し、博士号を取得することを決意した。研究や革新の社会的・政治的側面の分析にスポットを当てるという実にニッチな分野である。やがてミシガン大学で公共政策の助教授に採用されたParthasarathy氏であるが、現在は同大学で科学、技術、社会の履修証明書取得プログラムを指導している。
従来の専門領域を超えて新たな分野への進出を図る優秀な学生にとっては、信じ難いほどさまざまな、そしてこれから無限に広がっていくチャンスの扉が開かれている。しかし、駆け出しの科学者たちは、どのようにしてそのニッチな職を探せばいいのだろうか。
科学者としてのキャリアをスタートさせるべく求職中の学生にとって、また転職を考えている科学者にとって、あるいは採用動向をにらんでいるに留まっているだけの人にとっても、Naturejobs は貴重な情報源であり、識見を与えるものであってほしい。そこで、そうした役割を強化していくためにも、皆さんのご意見をお寄せいただきたい。どのようなキャリアインサイト(職業適性診断)を望んでいるのか、どのような記事が参考になり、関心があるのか、簡単な読者アンケート(http://tinyurl.com/6c6hmy 参照)に記入して教えていただきたい。このコラムの刷新にも役立つだろう。賞品として、アンケートに回答してくださった方の中から抽選で2名の読者に、オンラインギフト券を用意している。
今後も引き続き、求職中の科学者をはじめ、そうでない読者に対しても、キャリア復活に関する分析や記事、アドバイスを提供していく所存である。われわれが頑張ることで、もう少し安眠できる人が増えればいいのだが。
英語の原文:We're trying to improve — so you can rest a bit easier