良い職場に何を期待するか?スキューバダイビングの無料講習はどうだろう?
2008年2月14日
Gene Russo
Naturejobs editor
Nature 451, 739 (6 February 2008) | 10.1038/nj7179-739a
「フォーチュン」誌が選ぶ今年の「最も働きがいのある米国企業」100社のうち、ライフサイエンス関連企業はわずか2社であった。サンフランシスコ南部に拠点を置くバイオテクノロジー会社であるジェネンテック社(Genentech)はトップ10入りを果たし、第5位であった。もう1社はデラウェア州ウィルミントンにある製薬大手であるアストラゼネカ社(AstraZeneca)で、こちらは第83位。この業種の企業はやや順位を落としている感がある。過去2年間を見ると、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるジェンザイム社(Genzyme)とカリフォルニア州サウザンドオークスのアムジェン社(Amgen)を含む4社が上位100位内にランクインされている。
上位100位内に順位を確保できるのは、長く複雑な調査プロセスを経た後であるのだが、例えば、アストラゼネカの社員400人に対しては、自分たちの仕事や職場の同僚、経営陣をどう評価しているかについての調査が行われた。会社側も従業員手当(教育機会や研修、保育施設、報酬など)について詳細に記述しなければならないだけでなく、社内の各部門の人間が書いたエッセイを提出する必要もあった。アストラゼネカの人事部シニアマネージャーであるAndrea Moselle氏は、「フォーチュン」誌の「最も働きがいのある企業」にランクインできた理由として、会社側の小児や障害者に対する配慮や「カレッジコーチ」などのプログラムが要因ではないかと言う。「カレッジコーチ」とは、経済的な援助を受けながら大学に願書を提出する子供たちの力になるにはどうすればいいか、親にアドバイスをするプログラムである。
しかし、ランクインしている数社で目を引くのは、給与以外の手当である。ジェネンテックでは、バイクや徒歩で、公共交通機関を使って、またはマイカーの相乗りで通勤する社員に1日4ドルの奨励金を支給している。2年連続で第1位に輝いたグーグル社(Google)では、ハイブリッドカーや電気自動車を購入する社員に1,000ドルを支給しており、自宅にソーラーパネルを取り付けているカリフォルニア州の社員には割引プログラムも用意している。だが、最も印象的なのは、オクラホマシティのチェサピークエナジー社(Chesapeake)であろう。第61位にランクされている天然ガス生産会社であるが、自社が所有するオリンピックサイズのプールでスキューバダイビングのライセンスを取得する社員にその費用を負担しているのである。ライフサイエンス関連企業はウェットスーツや酸素タンクへの投資を検討すべし、ということか?
英語の原文:What do you look for in a good workplace? How about free scuba-diving lessons?