Nature Careers 特集記事

職種によらず在宅業は厳しい

2007年10月18日

Gene Russo
Naturejobs editor

Nature 449, 749 (10 October 2007) | 10.1038/nj7163-749a

1999年のコメディ映画『Office Space』の中で、仕切られたオフィスの中、アホな上司と僅かな給料のために働くことにうんざりした3人の男が反逆を決意し、オフィスのプリンターを持ち逃げするシーンがある。とても動くようには見えず、ひどくフラストレーションがたまる代物である。彼らはその哀れな機械をグランドに運んで行き、かわるがわるバットで叩きつける。彼らにとってそのプリンターはオフィスでのイヤなこと全ての象徴なのである。事務仕事をこなし、お役所仕事に対処しなければならない科学者を含めて、多くのオフィス労働経験者は感情移入できるであろう。しかし、もっと良いやり方はないだろうか?

今週の特集(750ページ参照)では、自宅にいながらにして天文学研究をすることの長所と短所に目を向ける。現在米国には、補助金を直接受け取り、大学に関与せずフリーランサーとして生計を立てている天文学者達がいる。通勤がなく、自分でスケジュールを立てる自由があり、大学にいるよりも諸経費がかからず、大学のお役所仕事がない、といった長所はある。

しかし何らかのフリーランス業経験者なら、毎日9時から5時まで完全にひとりでやることには短所もあることを知っている。厳しくはあるけれども日々の競争は人間関係や形式、そしていささかの規律を与えてくれる。自宅で働くことは孤独なものかもしれないし、または相手をしてくれとせがむ子供が家にいればそれほど孤独ではないかもしれない。フリーランスの天文学者達、あるいは自営業を営むすべての者は、フリーランス作家らの経験から得るものがあるかもしれない。そこで、私が長年かけて集めてきた秘訣をここで紹介しよう。

スケジュールを立てそれを守る。毎日決まった時間だけ仕事をする。これが生産性と効率を維持するための鍵である。必ず運動する。1日中家にいることは全くたやすいことである。それと社会との関係。就業機会の最新情報を常に仕入れておくために、社会との接触を保つ必要がある。そして、おそらく最も重要なことは、自身の経済状態を認識することである。フリーランス業では、複数の資金源を維持して安定かつ十分な収入を保つために献身とひたむきな努力が必要である。日々の通勤とオフィスからの開放にはうまみがあるが落とし穴もある。

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