Nature Careers 特集記事

十分な内省に基づくキャリアプランを

2007年10月11日

Paul Smaglik
Moderator of the Naturejobs

Nature 449, 633 (3 October 2007) | 10.1038/nj7162-633a

Naturejobsの主催で先週ロンドンにて行われたイベント「The Source」に、約900名の若い科学者が職業相談を求めて参加した。それに応え専門のパネリストは、積極的に経験者の助言を求めると同時に自分がどのようなプロジェクト、共同作業、分野に参加したいかについて内省することが重要である、と強調した。

たとえば、私が司会を務めた代替職業に関する序盤のセッションでは、パネリストの2名が、「学問の世界は自分に向かないということを大学院から離れる前に気づいていた」と述べた。フランスの特許権保護関連企業の共同経営者であるFranck Tetaz氏は冗談交じりに、「ビーカーや試験管を再三割ってしまうので、化学者になってはならないと確信した」と述べた。Fraser Campbell氏も、研究の現場における成果について疑念を持ち始めたときに、自分は終身的な職業には向かないと考えた。同氏はまずバイオアナリストとして、現在では企業の財務部門において、ビジネスの世界にその成果を見出した。

「職業には楽しむことのできない面もある」と両氏ともいち早く指摘した。Tetaz氏にとってそれは法関係書類が山積みになった未決書類に向かうことであり、Campbell氏にとってそれは集計表と奮闘することである。しかし、様々な科学の問題に触れ、現場での成果につながりうる解決法を探すことが、両氏にとってのやりがいである。

そこで私は、The Sourceで若い科学者に対して、科学にまつわる生活において、自身が一番楽しめる事と一番楽しめない事について自問するようアドバイスをした。大学院生やポスドクは、助成金申請書作成や研究所スタッフの監督、それに機器の発注や文献検索といった活動が、実験と同様に科学の実践そのものであるということを時々忘れてしまう。これらの活動のどれか一つに精通することこそが、科学の仕事を満足のゆくものにしうるのである。自分の楽しめる事や得意な事を突き止めさえすれば、どの領域、どの専門分野、社会のどの部分に自分の関心があるのかということは、自ずとわかるものである。

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