Nature Careers 特集記事

製薬業界の最近の大幅な人員削減

2007年8月30日

Gene Russo
Naturejobs editor

Nature 448, 965 (22 August 2007) | 10.1038/nj7156-965a

最近、製薬業界は従業員に対して厳しくなっている。収益が落ち込む中、製薬企業は社員を解雇しており、数千人の科学者がそのあおりを受けている。1月にファイザー社は約10%の人員削減を行い、10,000人が職を失った。7月にはアストラゼネカ社が、世界中で従業員の約10%に当る7,600人を削減すると発表した。その数日後、ジョンソン&ジョンソン社は4,800人(従業員の約4%)の削減を発表した。これらの人員削減は欧米全体の被雇用者に影響を与えた。そして先週、バイオ企業のアムジェン社が、同社で初めての大規模解雇となる2,200~2,600人(従業員の12~14%)の解雇を行うと発表した。

このような「再編」が反響を及ぼしているのは生命科学の雇用市場だけではない。科学者に加えて、営業員、販売員やサポートスタッフも職を失っている。パートナーの製薬企業に収益の依存度をますます高めているバイオ企業の一部も、同様に規模縮小を余儀なくされている。

ほとんどの製薬企業は、医薬品パイプラインの枯渇が原因であると考えている。バイアグラのような大ヒット商品はさらに希少価値となり、進んだ開発段階にある医薬品の販売承認の取得もますます困難になってきている。メルク社のVioxx関連の話のように、最悪の事態に対して状況の改善はみられていない。

しかしこれで仕事がなくなってしまったわけではない。昨年報告したように(Nature 439, 886–887; 2006参照)、企業は不況の年においても採用を続けている。そしてアメリカ労働統計局の最新の数字によれば、米国の製薬および医薬関連の製造業部門における化学者と生物学者の雇用には、2014年までに約25%の伸びが期待されている。

そこで、生計のために企業への就職を考えている科学者は予め調査する必要がある。その会社の最後の解雇はいつどこで行われたか? その会社の主力製品ラインは何か? 特許はいつ切れるか? ジェネリック医薬品はその会社の最終利益に対する脅威となるか? パイプラインとしては他に何があるのか?

万一、面倒な再編にあってしまった場合、当たり前の疑問を無視する訳にはいかない。次に打つ手は何か?

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