研究室恋愛の別れと出会い:読者の反応
2007年8月17日
Gene Russo
Naturejobs editor
Nature 448, 723 (8 August 2007) | 10.1038/nj7154-723a
全ての人と同じように科学者にとっても、真の愛が順調な経過を辿ることはめったにない。しかし経歴重視の研究者がロマンチックな恋愛を追い求める時に直面する困難について議論した後で(Nature 446, 463; 2007参照)、恋愛と研究室を両立することがいかに困難かを強調する手紙が殺到した。幸い、その全てが失恋話という訳ではなかった。夫婦共々専門家への大志を持っているにもかかわらず、結婚生活が続いている内容の手紙もあった。その夫婦が恋愛の賭けに踏み切るまでには10年かかった。仕事と同時進行の恋愛となると状況が極めて厄介になると案じていたのだ。やはり結婚してみると状況は大変厄介になった。勤務地は遠く離れ、別々に暮らし、会うために頻繁に飛行機を使うことになり、彼らの銀行預金はみるみる空になっていった。
研究室恋愛(lab relationship)に関するデータを求めて、別の読者は52名の科学者に対して非公式調査を行った。14名が同じもしくは違う研究室の科学者と結婚、ほぼ同数が独身、約7名が科学者と交際中、2~3名が離婚、という結果だった。
別の話では、研究室生活がいかに煩わしいものであるかが見て取れた。ある上司が崩壊してしまった家庭生活を嘆きつつも、最高の科学は午後5時から真夜中の間に生まれると主張した。旅行し、人生を愛する大学院生らは成功する科学者にはならない、と書いている人もいた。
ある読者は成功の秘訣を示してくれた。彼とその妻はそれぞれ応用物理と機械工学のPhD候補生で、1歳の子供がいる。彼は自分達の成功の理由を、次のように考えている。期限付き契約で仕事をしていること(これが先の計画を立てやすくする)、人間的・仕事的に支えあっていること、そして仕事と家庭生活が手に負えないと思われる時には自分の恵まれている点を数えるのを忘れないことである。
恋愛に対する仕事関係の障害は、もちろん科学に限ったことではない。しかし、とりわけ仕事に打ち込む専門家の間では、恋愛を求めることはあらゆる点で自らが解き明かそうとする自然の神秘と同じくらい厄介なものであり得るということを認識しておくとよいだろう。