Nature Careers 特集記事

研究室におけるエコ志向の重要性

2007年6月28日

Gene Russo
Naturejobs editor

Nature 447, 1027 (20 June 2007) | 10.1038/nj7147-1027a

最近、エコ志向がよく叫ばれている。エコ志向とその研究の発信拠点となることが多い大学では、科学研究所も含めて、自己点検と自らの活動の実態調査を始めた。当然ながらほとんどの大学はさらなる低消費化とエコ化に耐えうるだろう。実際、当事者である科学者達は、自分たちが日常活動でどうエネルギーを使っているか、エネルギー効率を上げるためには何ができるかを考え始めるべきなのだ。

これは必ずしも簡単ではない。研究責任者には既に多くの仕事がある。研究、交付申請、雇用、時には教育も。その上に炭酸ガスの排出削減。こんなに小さい研究室で?

とは言っても、研究室には無駄な消費が多いことは明らかになっている。最近のNature の記事(Nature 445, 590–591; 2007参照)で指摘されているように、従来型のドラフトは年間で米国の3世帯相当分のエネルギーを消費する。イリノイ州バタビアの米エネルギー省フェルミラボでは、毎月の電気代に100万ドルを費やしている。

これに注目するグループもいくつかある。英国ではPeople and Planetと呼ばれる学生グループが、最もエコな国内の大学をランク付けし、今月The Times Higher Education Supplementにそのリストを発表した。当グループは、「エコ通学計画」、移動手段での対策努力、再生可能資源からのエネルギー回収の実施などの要素をランク付けした。1位となったのはリーズメトロポリタン大学であった。

米国では、政府主催の組織Labs21が、効率の良い研究室設計や設備について科学者に助言している。昨年12月には国内の大学および専門大学の学長らがClimate Commitmentを発表した。参加大学は気候変動への対策を始めることを約束する。例えば、参加すると1年以内に、光熱使用、通勤通学、航空機利用による大学からの温暖化ガスの総排出量の一覧をまとめることになっている。これまでに280大学が本誓約に参加している。

科学者や研究室は反エコ的活動の主犯格というわけではないが、しかし対策の一翼を担うのは当然である。つまり、既に山積みの日常業務に「エコ活動」を追加することである。

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