リスクのある道は刺激的である
2007年6月14日
Gene Russo
Naturejobs editor
Nature 447, 747 (6 June 2007) | 10.1038/nj7145-747a
読者の皆さんがこのコラムを読まれる頃、私はNature と自然(nature)をうまい具合にトレードし、ウエスト・バージニア州からメイン州にかけて続くアパラチア自然歩道1,000マイルの行程の50マイル目あたりを、妻と共に歩いていることだろう(http://1000milesummer.blogspot.com)。そんなわけで、ブーツを履きバックパックを手にする前に、編集者のエキサイティングな経験から得た考えを最後に述べようと思う。
キャリアパスは順調なものではない。キャリアの道を歩むためには計画を立て正式な訓練を受けることが役に立つが、自分の興味と機会を符号させる助けとなる技術を習得することがさらに大切である。企業と学術界と行政の境界は不明確である。交渉の際には、自分がどのような技術を持ち、それを別の分野にどう転用できるかを考えなければならない。他の分野を優先して、ある特定の分野を選ばないほうがよい。それは得策ではない。同時に2つの分野へ参入することは可能である。分野を変更し、専門から専門外へと移るのは落ち着かないという意見もあるだろう。それならば、転職する前に最大限あるいは最低限の正式な訓練を受ければよい。新たな学位を取りたいと思う者もいれば、インフォーマル教育を選択する者もいる。
大切なのは広い視点に立って考えることである。科学研究のための新しい環境は、シンガポールからセントルイスまで世界中のあらゆる所で次々と作られており、研究者はますます大規模な研究班で共同研究を行っている。研究者も以前より移籍が増え、適切な機会とプロジェクトを追跡し、また財政支援と研究の自由の最良の機会を求めて大陸から大陸へと渡るようになった。
いずれにせよ、私は安全地帯の外で働くことをお勧めする。未知の領域へ踏み込むのは不安だが、刺激的でもある。おそらくそれが、私が全く別の道へと進む決心をした理由だと思う。この道はどこへ続くのだろうか?この道を進めば、自分の時間を教職とジャーナリズムと創造的プロジェクトに3等分できる場所に行き着けるのではないか?自然歩道のハイキングが容易く気楽なものと予想できないように、キャリアの転換に何の問題も生じないとは思っていない。ともかくも、寝袋に潜り込んで熊に襲われないことを祈る前に、Naturejobs のすべての読者に対し、支持とフィードバックをいただいたことに感謝したい。皆さんのキャリアの冒険が成功することを祈りたい。楽しい行程でありますように!