質の良い研究室のウェブサイトの作成によって、将来の共同研究者や新参者に研究室の世界をより明確に示すことができる
2007年5月24日
Paul Smaglik
Moderator of the Naturejobs
Nature 447, 347 (16 May 2007) | 10.1038/nj7142-347a

先進国の多くの人々にとって、インターネットは日常生活に浸透しつつある。インターネットは買い物、お勧めのレストラン情報の入手、また休日の楽しみの検索に利用される。そう遠くない将来、研究者は就職先として最も望ましい研究室を探すに当たって、いい所を物色し、自分を売り込むためにウェブを利用するだろう。
ウェブサイトは研究室とコンタクトを取る最初の接点である場合が多く、研究室の活動を紹介するデジタルウィンドウのようなものである。研究室のウェブサイトの多くは、研究プログラムを明らかにし、研究員の名前と連絡先を記載している。良いサイトは共同研究を探す手段も提供している。また、特に優れたサイトでは、将来研究員となる人々が、過去および現在の研究員が何を目的として研究を続けているかを知ることができる。
もし私が新しい研究室を検索するとしたら、今までの研究員が研究責任者の指導の下で論文を発表しているか、彼らが学術界、企業、政府機関を問わず、専門内外を含めて、私自身が追求してみたい職業に就いているかを知りたい。また、研究室の体質についても知りたい。研究員達が仕事上、またプライベートで交流しているかどうか。また、彼らにはユーモアのセンスがあり、協力の精神を持っているかといったことである。
こうした「最高の仕事」を探すために、幹細胞研究者であり、ブロッガーでもある大学院生Attila Csordásは、ブログ上で研究室のウェブサイトのコンテストを主催している(http://pimm.wordpress.com)。 Csordásの見解によると、メディアの技術を最大限生かしている研究室のウェブサイトはほとんどなく、これらは研究室の業績や体質について検索者が知りたいと思っている情報を提供していないという。「大学の研究室のほとんどのウェブサイトが、進化した、最新の、絶えず変化しているウェブの基準を満たしていないと思うのは私一人だろうか。これは彼らにとって重大なことだと思うのだが。」Csordásはブログにこう書いている。彼は自分の研究分野の合格点に近いサイトを数例紹介しているが、世界中の生命科学の研究室に、最高の研究成果を共有するように求めている。この挑戦を受けて立つことは研究室がその実績を売り込む助けとなり、将来有望な若い研究者を自分達の研究室に誘致することができるだろう。