ハワードヒューズ医学研究所とウェルカムトラストはポスドクが体験する素晴しいプログラムのために一致団結する
2007年5月31日
Paul Smaglik
Moderator of the Naturejobs
Nature 447, 501 (23 May 2007) | 10.1038/nj7143-501a

ある年代のアメリカ人は、Super Friendsという土曜日の朝の人気番組を記憶しているだろう。このアニメ番組では、さまざまなキャラクターの中でワンダー・ツインが重要な役割を演じていた。2人のスーパーヒーローは窮地に陥ると、こぶしを合わせて姿を変え、悪の根源に向かってパワーを放ち、悪者をすぐさま退治してしまう。
私は2人の団結から、ポスドクに資金を提供している2つの国際的に最大規模を誇る財団法人を思い浮かべた。ハワードヒューズ医学研究所とウェルカムトラストは、世界中の優秀な研究者とポスドクに資金を提供する有力かつ影響力の大きい組織としてどちらも他に並ぶものがない。しかし、先週これらの財団法人は、ワンダー・ツインが互いのこぶしを合わせるように、どちらかのプログラムに資金提供を受けている特別研究員が、大西洋の反対にある相手側の研究室で1年過ごすことができるというプログラムを開始した。
このポスドク交換プログラムは、どちらかの財団から資金援助を受けているポスドクに、大西洋の両側において将来共同研究者となる可能性のある人々と接触する機会を与え、それによって彼らが新たな技術を学び、専門分野の研究を進めることができるため、有益であるに違いない。彼らはまた、どちらの財団からも資金提供を受けていない研究者と知り合い、共に研究を行うだろう。こうした人材の配置によって、プログラムに参加するポスドクは特定の研究責任者や1か所の研究室だけに世話にならないため、彼らのキャリアパスは拡大する。
しかし、このプログラムがいかに優れているかは、他の組織や教育機関がこのモデルを引き継いでいくかどうかにより試される。ハワードヒューズ医学研究所もウェルカムトラストも、給与水準を引き上げ、研究室の経営などの科学技術以外の課程を提供することによってポスドク養成をリードしてきた。どちらのケースにも、多くの組織がこれに追随した。マントを羽織った双子がどのようにして鷲に変身し、バケツの水がどうやって悪者に浴びせられるか理解できないのと同じように想像することは困難だが、ワンダー・ツインと同様、全体は個々の総和以上の力を発揮するであろう。
英語の原文:The HHMI and Wellcome Trust come together for a tour de force postdoc experience