Nature Careers 特集記事

教授の格付けサイト、怒りも買うが支持する者も

2008年9月11日

Gene Russo
Naturejobs editor

Nature 455, 133 (3 September 2008) | 10.1038/nj7209-133a

自分が助教授で、現在在籍している大学で終身的な地位を確保しようと奮闘しているとしよう。熱心に自分の研究に励みながら、急いで論文をまとめ、教える仕事にも気を配っている。ところがある日、学部長から電話で呼び出されてしまう。嫌な予感がする。「ちょっと話がしたいんだが。RateMyProfessors.comで君の格付けが悪かったんでね」

米国では、学生たちが自分の大学の教授について匿名でコメントを書き込めるRateMyProfessors.comのようなウェブサイトに人気が集まっている。コメントは建設的なもの(「完璧な教授の定義」)から、中傷的なもの(「あいつはひどい教授だ」)や少々俗っぽいもの(「おそらくこれまでで一番ホットな教授だ」)まで幅広い。当然と言えば当然だろうが、こうしたサイトは米国の教授たちの受けは良くないようだ。教授たちの多くが、書き込みが許されているいい加減なコメントに神経を尖らせている。

だが、8月の初頭に行われたRateMyProfessors.comの効果の分析では、あくまで慎重な評価ではあるが、このサイトとそのアプローチにも称賛すべき点があるとされた(J. Otto, D. A. Sanford and D. N. Ross Assess. Eval. High. Educ. 33, 355–368; 2008)。2人の著者は、このサイトが教授たちを褒めたりけなしたりしたがる学生たちに人気がある可能性があることを考えると、フィードバックや格付けが一般に期待されるような高い格付けや低い格付けとは驚くほど離れていることを発見した。2人によれば、このサイトは、授業の効果を測る有効な測度だと見なされる可能性がある。個人的なバイアスが入る可能性はあるものの、追加調査によって当初の評価を裏づけられるようになれば、RateMyProfessors.comのようなサイトは大学教授の雇用や起用に関する決定に際して、有効な情報源となるかもしれない、と2人は言う。

そうなれば事態は一変する。正直なフィードバックが指導能力の有効な測定基準になるという考えに反論するのは難しいが。ただ、格付けのサイトが本当の意味での信頼を得るには、ある程度の監視や規制が必要だ。評価する者はその経歴や専攻を明かすべきだし、実際にその授業に出席している学生だけがコメントを書き込めるようにすべきである。ただ、ある教授がどれほど「ホット」なのかの妥当性については、見識ある個々の学生に任せるしかないだろう。

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