Nature Careers 特集記事
科学者が政策提言の世界に飛び込むと:視野は広がるが、カルチャーショックも大きい
2008年8月7日
Gene Russo
Naturejobs editor
Nature 454, 662-663 (30 July 2008) | 10.1038/nj7204-662a
初めて英国議会の特別委員会に出席したエディンバラ大学の気象学者Dave Reay氏は、少なからず怯えていた。おごそかな下院本会議場の席に着いたReay氏の前には、著名な下院議員(MP)たちが居並び、傍聴席は人であふれかえっていた。背後には崇拝する学者の1人、自然学者のDavid Attenboroughが控えていた。場内が静まり返った。議長席から最初の質問が飛んできた。「あなたはご著書の中で、この国そして他の国の市民たちに、実効性あるやり方で気候変動の問題に取り組んでもらうにはどうすればよいか、を論じておられます。アドバイスを聞かせていただけますか」
これは2006年12月、Reay氏が、気候変動の緩和のために一般家庭で何ができるか、また何をすべきかを話し合う会議に出席していた折のこと。一般からの反響も大きい慎重を要するテーマだったため、注意深く言葉を選ぶ必要があった。Reay氏はすぐさま、自分の専門分野の境界線を越えずに質問に答えるという微妙なニュアンスを身につけた('Tips for science advocacy' を参照)。