Press release

2010年の Nature 掲載論文の被引用数が50万を超える

2011年7月5日

  今週、Thomson Reuters 社の Journal Citation Reports(JCR)の2010年版が公開されました。それによれば、ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)は大きな成果を挙げ、Nature の2010年のインパクトファクターは過去最高の36.101となりました。また、Nature に掲載された論文の被引用数は50万を超え、JCRの評価対象となっているジャーナルの中で最多を記録しました。

Nature Chemistry の初年度インパクトファクターは17.927で、Multidisciplinary Chemistry 分野でナンバーワンのジャーナルとしてデビューを飾りました。また、NPGが発行する16誌のジャーナルは、JCRの各分野でトップのインパクトファクターを達成し、Nature とNature姉妹誌を合わせた17誌が、JCRのインパクトファクター上位50誌にランクインしました。

NPGのマネージングディレクター Steven Inchcoombe は、次のように話しています。「私たちは、インパクトファクターの数々の限界や乱用について承知しておりますが、被引用数は、今でも、利用度、重要性や科学的価値を示す明確な指標です。また、私たちは、実際には、もっと複雑なやり方で、NPGのジャーナルの有効性を確認しています。例えば、研究者が、その最も優れた研究論文の投稿先としてNPGのジャーナルを選ぶこと。2010年は5000人以上の専門家が Nature に投稿された論文の査読を快諾してくださったこと。5000以上の研究機関がNPGのジャーナルを定期購読していること。Nature.comの月間ユニーク・ユーザー数が7百万を超えたこと。これらすべての指標は、私たちの目標である『投稿論文を審査して、科学的に意義の深い論文を選び出す』ことが達成されていることを示しています」。

一方、Nature 編集長(Editor-in-Chief)の Philip Campbell は、こう語っています。「レフェリー(査読者)の先生方は、Nature とNature姉妹誌が高水準の研究論文を掲載し続けるうえで重要な役割を果たしておられ、私たちは大いに感謝しております。また、卓越した研究論文を私たちの手に委ねてくださる論文著者の皆様にもお礼を申し上げたいと思います。Nature の論文掲載基準は、科学的意義を有する論文の掲載をめざしています。このことが、ひいては被引用数に表れる影響力やマスコミ報道につながるのかもしれませんが、Nature のエディターの判断は、こうした点には左右されません」。

Nature とNature姉妹誌は、社内の専任エディターを起用しています。全員がPhDをもつ科学者で、ほぼ全員にポスドク、大学教員あるいは企業人の経験があります。「私たちの迅速で効率的な出版事業は、常勤の編集スタッフによって適切に遂行されていると考えています。私たちは、論文著者の皆様を無用な作業から解放するため、できるだけの配慮をします。厳格な査読(ピアレビュー)、査読によって必要とされることがある追加的研究、そして編集過程を通じて、自らの論文がかなり良くなった、と満足される著者が数多くいらっしゃいます」と Campbell 編集長は話しています。

NPGは、今後も「article level metrics(論文評価基準)」を始め、質、影響力、影響の及ぶ範囲や価値を示す指標の模索を続けていきます。何にもまして、NPGは、世界の科学と科学者の役に立ち、論文著者と論文の認知度と発見可能性をできるだけ高めることをめざしています。
 

※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。
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