注目の論文
量子鍵配送システムに不具合
Nature Communications
2011年6月15日
Unlocking quantum secrets
量子暗号を用いた秘密通信に欠陥が見つかり、極めて安全と考えられている通信システムに、さらなる安全性向上策を実施する必要性が浮き彫りにされた。詳細を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。量子鍵配送システムは、安全な通信を行うための手段の1つであり、離れた場所にいる者どうしが、メッセージの暗号化と解読を行うための共通の鍵を用いて秘密通信を行える。こうしたプロトコルは、軍隊、企業、政府、そして個人による秘密情報の交換に利用可能だ。今回、Q Liuらは、量子鍵配送システムに対する完全で検知不能な盗聴攻撃を実証した。盗聴者は、他者による検知を免れつつ、秘密のキーコードの入手に成功し、量子鍵配送システムを破ったのだった。量子鍵配送システムには、さまざまな不具合があり、これを利用した攻撃が可能になっているのである。したがって、実社会で実用化するには、量子暗号の改良が必要である。
doi: 10.1038/ncomms1348
注目の論文
-
4月25日
創薬:脳オルガノイドを使って神経発達障害の治療法を検証するNature
-
4月25日
医学:実験室で培養された「ミニ結腸」をがん研究に用いるNature
-
4月23日
がん:複数のがん種の診断ツールNature Sustainability
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine
-
4月11日
生態学:森林管理の認証制度が哺乳類の大型種と絶滅危惧種の保護に役立っているNature
-
4月11日
医学:インフルエンザ感染に伴う肺損傷の予防薬候補がマウスの試験で好結果Nature