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Nature ダイジェスト
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Nature ダイジェスト 2018年4月号

見て見ぬふりをされてきた病

極度の疲労感のために起き上がれなくなり、慢性的な機能不全の他、歩行や会話に困難を来すこともある筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)。原因は不明で、治療法はない。以前は「まれ」な病で、原因は「気分の問題」と考えられていたため、患者は現在も、誤った理解による偏見で苦しんでいる。米国はこの病の研究を強化するため、2017年に研究資金を増額することを発表した。

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今月の無料コンテンツ

News

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『スター・ウォーズ』の3Dディスプレイが現実に p2 Free access!

SF映画でよく見る「虚空に浮かぶ立体動画」が、粒子系とそれを走査するレーザーで実現した。この技術で映し出された物体は、あらゆる角度から見ることができ、実空間の固体物体と共存することができる。

Editorials

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研究とインパクトを結び付ける p38 Free access!

学術研究が社会に与えたインパクトの痕跡を追うことで、こうした「インパクト」を追求する研究者は手掛かりを得られるはずだ。このほど創刊されるNature関連誌3誌も役立つことだろう。

その他の特別公開記事 »

News

圧縮した木材は鋼より強い p4

木材を化学処理して一部の高分子を除去し、その後に圧縮すると、強度を10倍以上にできることが明らかになった。

「歩行の起源」が軟骨魚類までさかのぼった! p5

軟骨魚類の一種であるガンギエイには、左右の腹鰭を器用に交互に動かし、まるで歩くようにして海底を進むものがいる。この鰭を詳しく調べると、哺乳類の歩行と同じ神経ネットワークで制御されていることが明らかになった。

目を持たないクモヒトデが周囲を「見る」方法 p6

ヒトデの仲間のクモヒトデは、環境を感知するのに骨格表面のレンズに似た結晶構造を使っていると長年考えられてきたが、そうではないようだ。

致死的ウイルスの改変実験を解禁 p9

米国で、ウイルスの危険性を高める機能獲得実験への助成金交付が可能になった。

標準モデルの亀裂を探るBelle II実験 p10

高エネルギー加速器研究機構(KEK)のBelle II実験が、標準モデルでは説明できない「新しい物理」の探求を開始する。

中国が最大の論文発表国に躍進 p12

米国立科学財団の報告書によると、各国の論文発表数の競争は激化しているものの、米国が世界の科学をリードしていることに変わりはないという。

クローンサルの作出に初めて成功 p13

遺伝的に同一の動物がいれば、ヒトの疾患モデルが改良される可能性がある。その一方で、ヒトのクローン作出についての懸念が高まっている。

ディープラーニングで細胞や遺伝子を詳細に分析 p15

ニューラルネットワークが、生物学的画像の処理を容易にする。

ドイツ新政権は研究開発費の増額へ p17

ドイツの新政権を担う2つの会派・党は、科学技術研究開発費を国内総生産(GDP)の3.5%に押し上げる方針を表明している。

TOOLBOX: 研究者の広報活動を支援するツール p28

Kudosは、研究者が論文をPRするのに役立つオンラインサービスを提供している。このサービスを利用することで、論文をより多くの人に読んでもらい、その影響力を大きくできる可能性がある。

News Scan

鳥の離婚 p8

つがいが別れる理由とは?

頭でっかちは無用? p8

IQがあまりに高い人は良い上司と感じられなくなる

News Feature

見て見ぬふりをされてきた病 p18

筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群)の研究には苦難続きの過去がある。しかし、ここにきてようやく、研究の足掛かりが見つかりそうな気配だ。

Japanese Author

脳のアルツハイマー病変を血液で検出可能に! p24

日本には450万人を超える認知症患者がいて、その7割弱がアルツハイマー病だとされる。他国も同様で、製薬会社はこぞってアルツハイマー病の治療薬やワクチンを開発しているが、失敗が相次いでいる。敗因の1つに「投与するタイミングが遅すぎる」可能性が示唆されている。このほど、国立長寿医療研究センターと島津製作所が中心となり、アルツハイマー病の病変(脳内アミロイドβ蓄積)の有無をごく初期から検出できる血液バイオマーカーを開発した。

News & Views

難聴を防ぐ遺伝子編集技術への頌歌 p31

聴力低下を引き起こす遺伝子変異を遺伝子編集で無効化する手法により、遺伝性難聴を防ぎ得ることがマウスで実証された。この技術は、ヒト難聴のうちのいくつかについて、治療の可能性を開くことになるだろうか。

2D半導体の横方向ヘテロ接合をワンポットで p33

原子レベルの薄さのシート状半導体を横方向に接合する簡便な方法が開発された。この方法は1つの反応器内で完結し、ガス環境を切り替えるだけで構造が制御可能で、多接合の横方向ヘテロ構造体も容易に作製できる。

最も遠いクエーサーを発見 p36

クエーサーは、宇宙で最も明るい連続的な放射源だ。今回、これまでに見つかった中で最も遠いクエーサーが発見され、その測定から、初期宇宙の進化と構造を知る手掛かりが得られた。

Highlights

ハイライト p40

2018年2/1〜2/22号

Editor's Note

『日本の科学研究はこの10年間で失速している』と指摘し昨年大きな反響を呼んだ「Nature Index Japan」の最新版が3月22日に公開され、日本の論文発表力がこの1年でさらに低下したことが分かりました(nature.com/collections/nature-index-japan-2018)。「Nature Index 2018 Japan」では、論文出版の効率に特に焦点が合わせられ、日本の「研究開発費当たりの高品質な論文の出版数」が極めて少なく、OECDからデータを入手できる42の国・地域中30位であることが明らかにされています。日本のGDPに対する研究開発費の割合は3.29%(2015年)で、これは米国、中国、ドイツ、英国よりも高い数字であり、日本の研究力低下の原因は研究費以外にも求める必要がありそうです。選択・集中型の資金分配や、応用研究の重視、若手研究者の雑用過多など、現在の日本の研究のあり方についてはさまざまな問題点が挙げられています。超高齢社会を迎えた日本で今後研究予算の大幅な増額を望むのは難しく、限られた予算をどのように効率的に使うかも課題となるでしょう。日本の科学研究の現状のデータを、さまざまな記事と共に紹介している「Nature Index 2018 Japan」を、ぜひご一読いただければと思います。

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