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ノーベル物理学賞 - 小柴昌俊氏 | ノーベル物理学賞関連記事
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ノーベル化学賞 - 田中耕一氏 | ノーベル化学賞関連記事
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2002年ノーベル賞を2人の日本人が受賞した。ノーベル物理学賞には東京大学 名誉教授の小柴昌俊氏そしてノーベル化学賞には島津製作所の田中耕一氏が選ばれま
した。小柴氏は「宇宙ニュートリノ」をとらえ、ニュートリノ天文学という新しい学問を築き、田中氏は生体高分子の質量分析法のための「脱離イオン化法」の開発が評価されました。この3年連続の受賞に心からお祝を申し上げ、日本の科学者の方々の
更なるご活躍をお祈り申し上げます。
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宇宙観を変えた3人の物理学者にノーベル物理学賞
今年のノーベル物理学賞には、宇宙に関する新しい見方を生み出す基礎を作った3人の先駆者が選ばれた。
ペンシルベニア大学(米国フィラデルフィア)のレイモンド・デイビスと東京大学の小柴昌俊は、検出の極めて難しい宇宙ニュートリノという素粒子の検出方法を開発したことで賞金の50%を分け合う。
残りの50%は、宇宙からのX線を検出する最初の機器の開発に貢献したリカルド・ジャコーニが受賞する。ジャコーニは、現在、ワシントンに本拠を置くアソシエイテッド・ユニバーシティーズ・インコーポレーテッドという共同事業体の社長である。この共同事業体は、全米科学財団の国立電波天文台を運営している。
1960年代、デイビスは、太陽から放出されるニュートリノを検出するという大胆な実験を始めた。太陽の中心部での核融合反応によって大量のニュートリノが放出されることは、太陽理論で予測されていた。しかしニュートリノは物質とほとんど相互作用しないため、ニュートリノの検出が可能かどうかは明らかでなかった。
デイビスは、太陽ニュートリノを検出するため、ホームステイク金鉱(米国サウスダコタ州)で検出装置を建設するプロジェクトを指揮した。その検出装置とは、615トンの洗浄液テトラクロロエチレン入りのタンクであった。デイビスの計算では、極めて少量のニュートリノのエネルギーによって、洗浄液中の塩素原子との衝突が起こり、その際にアルゴン原子が生成されることになっていた。そして毎月およそ20個のアルゴン原子が作り出されると予測されたことから、デイビスは、この洗浄液中にヘリウムガスを注入することで、アルゴン原子を抽出する方法を考案した。この実験は1994年まで続けられ、約2,000個のアルゴン原子が検出された。
小柴は、1980年代に、同様の実験に着手し、「カミオカンデ」というニュートリノ検出装置の建設プロジェクトを主導した。この装置は、東京から約240キロ北西に位置する鉱山に建設された。カミオカンデは、ニュートリノが水分子と衝突する際に発する光を観測することで、ニュートリノの到来と到来方向を検出する装置であった。小柴の研究チームは、太陽からニュートリノが放出されることを明確に実証した。
また1987年2月に、小柴たちは、私たちの銀河系に近い別の銀河での超新星爆発によるニュートリノのバーストを検出し、ニュートリノ検出装置を使って遠い彼方の天体を研究できることも示した。
小柴の受賞により、日本人研究者のノーベル賞受賞は3年連続となる。日本政府が2000年に定めた50年間に30のノーベル賞受賞という目標の達成は、順調に進んでいる。「今後の夢は教え子がノーベル賞をもらうことです」と小柴は語る。
ジャコーニは、1950年代後半にX線天文学の研究を始め、この研究分野の立ち上げに貢献した。のちにX線天文学は、私たちの宇宙観を変えることとなった。それまでの天文学では可視光線、赤外線や電波を観測していたが、X線の観測によって誰も予想していなかったような激しい天体物理学的過程を解明できるようになった。「X線によって宇宙現象の中でも最も極端な状態を知ることができる」とレスター大学(英国)のMartin
Wardは語る。今回のジャコーニの受賞は「この分野での半世紀にわたる研究成果にとって誠にふさわしい。」(Ward)
X線は地球の大気圏で吸収されるため、ジャコーニの研究チームは、ロケットに搭載してX線を検出する装置を開発した。彼らの当初の目的は、月からのX線放射の原因が太陽光線であるかどうかを調べることだったが、地球大気圏外でのロケット観測が始まると、この検出装置を使ってさそり座のX線源など数々の宇宙X線源が判明していった。
今年のノーベル物理学賞で特筆すべきことは、受賞者全員の受賞理由が主に観測機器に関する研究となっている点だ。高エネルギー宇宙物理学における数多くの論点に関しては、観測方法の開発を待たなければ議論の枠組みすら設定できないという認識を示すものかもしれない。
Philip Ball
協力:David Cyranoski
最近Natureに発表されたニュートリノ/X線関連論文
南極の氷に深く埋められたチェレンコフ検出器を使って高エネルギーニュートリノを観測
Observation of high-energy neutrinos using
erenkov detectors embedded deep in Antarctic ice
E.ANDRゴ, P.ASKEBJER, X.BAI, G.BAROUCH,
S.W.BARWICK, R.C.BAY, K.-H.BECKER, L.BERGSTR・, D.BERTRAND,
D.BIERENBAUM, A.BIRON, J.BOOTH, O.BOTNER, A.BOUCHTA,
M.M.BOYCE, S.CARIUS, A.CHEN, D.CHIRKIN, J.CONRAD,
J.COOLEY, C.G.S.COSTA, D.F.COWEN, J.DAILING, E.DALBERG,
T.DEYOUNG, P.DESIATI, J.-P.DEWULF, P.DOKSUS, J.EDSJ・
P.EKSTR・, B.ERLANDSSON, T.FESER, M.GAUG, A.GOLDSCHMIDT,
A.GOOBAR, L.GRAY, H.HAASE, A.HALLGREN, F.HALZEN,
K.HANSON, R.HARDTKE, Y.D.HE, M.HELLWIG, H.HEUKENKAMP,
G.C.HILL, P.O.HULTH, S.HUNDERTMARK, J.JACOBSEN,
V.KANDHADAI, A.KARLE, J.KIM, B.KOCI, L.K・KE, M.KOWALSKI,
H.LEICH, M.LEUTHOLD, P.LINDAHL, I.LIUBARSKY, P.LOAIZA,
D.M.LOWDER, J.LUDVIG, J.MADSEN, P.MARCINIEWSKI, H.S.MATIS,
A.MIHALYI, T.MIKOLAJSKI, T.C.MILLER, Y.MINAEVA, P.MIOINOVI,
P.C.MOCK, R.MORSE, T.NEUNH・FER, F.M.NEWCOMER, P.NIESSEN,
D.R.NYGREN, H.・ELMAN, C.PコEZDELOSHEROS, R.PORRATA,
P.B.PRICE, K.RAWLINS, C.REED, W.RHODE, A.RICHARDS,
S.RICHTER, J.RODR鶉UEZMARTINO, P.ROMENESKO, D.ROSS,
H.RUBINSTEIN, H.-G.SANDER, T.SCHEIDER, T.SCHMIDT,
D.SCHNEIDER, E.SCHNEIDER, R.SCHWARZ, A.SILVESTRI,
M.SOLARZ, G.M.SPICZAK, C.SPIERING, N.STARINSKY, D.STEELE,
P.STEFFEN, R.G.STOKSTAD, O.STREICHER, Q.SUN, I.TABOADA,
L.THOLLANDER, T.THON, S.TILAV, N.USECHAK, M.VANDERDONCKT,
C.WALCK, C.WEINHEIMER, C.H.WIEBUSCH, R.WISCHNEWSKI,
H.WISSING, K.WOSCHNAGG, W.WU, G.YODH & S.YOUNG


news feature
On
the trail of the neutrino
Dan Falk
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Nature 410, p441 |
Blessings of mixed neutrinos
The confirmation that neutrinos have mass and can
switch identity is a triumph of careful experiment that
opens doors for theoretical physicists. It is not a crisis
for existing models, but a route to deeper ones.

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Nature 410, p441 |
高エネルギー物理学:ニュートリノは二重人格
High-energy physics: Neutrinos reveal split
personalities
JOHNN.BAHCALL
科学者は30年以上にわたって、太陽から放出されるニュートリノが見つからないという謎に悩まされてきた。カナダと日本の地下検出器からのデータを合わせることで答えが得られた。

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Nature 410, p441 |
宇宙:銀河系中心に存在する超大質量ブラックホールの方向から到着した速いX線フレア
Rapid X-ray flaring from the direction
of the supermassive black hole at the Galactic Centre
F.K.BAGANOFF, M.W.BAUTZ, W.N.BRANDT,
G.CHARTAS, E.D.FEIGELSON, G.P.GARMIRE, Y.MAEDA,
M.MORRIS, G.R.RICKER, L.K.TOWNSLEY & F.WALTER


news and views
| X-rays
from the edge of infinity |
天文学:無限の入口から放射されるX線
FULVIOMELIA
|
Nature 413, p45 |
宇宙:銀河系中心領域の微弱な点源を発生源とする高度にイオン化された鉄からの放射
A faint discrete source origin for the
highly ionized iron emission from the Galactic Centre
region
Q.D.WANG, E.V.GOTTHELF & C.C.LANG


news and views
| Astronomy:
X-rays reveal the Galaxy's centre |
天文学:X線が教える銀河系の中心
FULVIOMELIA
|
Nature 415, p148 |
分光化学の分野に光をあてたノーベル化学賞
タンパク質の同定と構造解明法を開発した三人がさらった今年のノーベル化学賞
David Adam

「ゲノム革命」に続いて登場した新しい流行語は「プロテオミクス」である。これは生物の細胞が作り出す多種多様なタンパク質の系統的・網羅的な研究を指す言葉である。今年のノーベル化学賞は、プロテオミクスの領域で極めて重要な研究手段となっている2つの測定法の開発に関わった3人が受賞した。
賞の半分は、スイス連邦工科大学(チューリッヒ)とスクリプス研究所(カリフォルニア州ラホヤ)に所属するKurt Wuethrich氏に贈られる。同氏の受賞は、核磁気共鳴(NMR)分光法を使ってタンパク質のような生体高分子の三次元構造を決定する方法を開発した功績によるものである。
残りの半分は、ヴァージニア・コモンウェルス大学(米国リッチモンド)のJohn Fennと島津製作所(京都)の田中耕一の2氏に贈られる。Fenn、田中両氏は、タンパク質などの高分子の質量分析法を用いた構造の同定・解析法の開発により受賞したのである。
ノーベル財団の発表には、「タンパク質の詳細な解析ができるようになったことは、生命の反応過程をよりよく理解することにつながった。今では、試料中にどのような種類のタンパク質が含まれているのかを速やかに、しかも簡単に明らかにできるようになり、また、タンパク質分子が溶液中でどのような形をとっているのかも解るようになった」と述べられている。
NMRと質量分析法は、化学の分野では数十年も前から小型の分子の研究に使われてきた。しかし、タンパク質分子は大型で構造が複雑なことが妨げとなって、生物学ではこれらの方法を使うことができなかったのである。
NMRは対象とする分子を強い磁場中に置き、その分子を構成している原子によるラジオ波の吸収を調べることで、分子の三次構造の解析を行う。タンパク質は数千個の原子を含んでいるため、そのNMRスペクトルはきわめて複雑で、わけのわからないものになってしまう。しかし1980年代に、Wuethrichが連続帰属法と呼ばれる手法を開発し、NMRがタンパク質の構造解析に使えることを明らかにした。この手法を用いることで、ラジオ波の吸収ピークをタンパク質中の個々の水素原子に対応させることができるようになった。これにより、結晶化したタンパク質でなく、溶液中のタンパク質、つまり生物の体内にあるのと同じ状態にあるタンパク質を使って構造を決定することが初めて可能となったのである。
「たいていの人は、Fennがそれに成功するとは考えていなかった」とMathias Mann (南デンマーク大学)は語る
質量分析法とは、分子をその大きさによって分離する方法で、極めて感度の高い解析法である。Fennと田中は、電荷を持ったタンパク質分子を「空中飛行」させる方法を開発した。こうするとタンパク質分子に電場をかけて加速し、質量分析を行うことができる。田中の考案した方法は、ソフトレーザー脱離イオン化法と呼ばれており、固体あるいは粘度の高い状態にある生体試料にレーザーパルスを照射して、試料のごく一部を気化するものである。Fennは、これとはまた異なる、エレクトロスプレーイオン化法と呼ばれる方法を開発した。これはタンパク質水溶液を電界中に微細な霧状に噴霧してイオン化するものだ。
南デンマーク大学(オーデンセ)のタンパク質相互作用研究所で、質量分析法により生体分子の構造の研究を行っているMatthias
Mannは、Fennの研究室でPhDを取得した学生の一人で、今回の受賞を大変喜んでいる。「Fennは、わずかな研究費しかない状況でこの手法を考案したのだが、当時はたいていの人が彼が成功するとは考えていなかった」とMannは語っている。
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